自然公園①(そこで見つけたいきもの)
家から車で10分位の場所に、里山を整備しただけの、結構広い自然公園があります。
私自身、虫や鳥など生き物が大好きで、子どもの頃から『砂場とすべり台とブランコ』だけで草むらや林の無い公園はつまらないな、と思っていました。
だから母になっても、いわゆる『ご近所の公園デビュー』的な事はせずに、子どもが歩けるようになるとほとんど毎日、車でその自然公園まで出かけていました。
ここには見所がたくさんあり、この公園で初めて細長いキセル貝のカタツムリとか、コウガイビル(オレンジがかった色のすごく長いヒルです)を見たのでした。
うちの子は虫だけでなく、石や木の枝、どんぐりなど色々な物を小さな手いっぱいに拾っては、ベンチで休んでいる見知らぬおじいさんにいきなり「ほら!」などと言って見せたりして楽しんでいました。
公園内には湿地や、広く複雑な形の池もあって、ザリガニやヤゴ、魚がいます。
一番上の子どもは、そのほとりにしゃがみ込んだり、踏み板に腹ばいになったりしながら、生き物を観察するのが大好きでした。
この子は中学生になってからも池を見るとすぐにしゃがみこみ、光の反射を避けるために顔の横に手をかざしながら長々とのぞき込むのが常でした。
そうしてひとしきり様子をうかがってから、おもむろにペットボトルや紙コップなどを拾ってきて、器用にヌマエビやハゼなどをそこに追い込んで捕まえます。
この子は、大しておもしろくなさそうな場所でも珍しい昆虫を目ざとく見つけて教えてくれたり、捕まえるのが難しい昆虫を捕まえて、仕事から帰った私に見せてくれる事がたびたびありました。
もう少し大人になった今でも、当時と同じように自然に興味を持っています。
やっぱり私の子どもだなあ、とよく思います。
話は戻りますが、その公園の池にはゴイサギがたくさんいて、冬にはカモが飛来し、カワセミもよく見られます。大きくて立派なアオサギがやってくる事もあります。
今日は何がいるかを楽しみにしながら、公園に行けば必ず立ち寄る場所です。
冬になると水辺の草も枯れるので、鳥たちを探すのは少し容易になりますが、それでもゴイサギ達は感心するほどの隠れ上手です。
じっと動かず、色もグレーがかっていて物陰になじみやすいので、バードウォッチングの達人らしきおじさん達が「全部で10羽いるよ」などと教えてくれても、私や子ども達の目には半分位しか見つけられない事もよくありました。
そんなある日、湿地帯の上に渡された木の遊歩道を歩いていた私は、何事か寄り道している子どもを待とうと立ち止まったのですが、その足元の光景にハッと息を飲みました…! (つづく!)